肉食社長の独り言 2015年2月16日 渡航の自由?

 先日日本人が中東の過激テロ組織に拘束されるという衝撃的な事件が起こりました。事件は最悪の結末を迎えて終えたと思われましたが、いまだにその余波は続いているようです。
 あれだけ危険な地域だということが周知されたにもかかわらずその国への渡航を計画し、それを知った外務省がパスポートの返納を命じたというものです。他にもそうした事例がいくつか発生しているようで憲法で保証された基本的人権が国に不当に制限されているといった主張をする人たちが多く見受けられます。
 こうした議論は一見まともな憲法論議のようにも見えますが、私は「アホか!?」としか思いません。理由が何であれ危険だと分かっている場所にノコノコ出かける国民を、いざとなったら保護救出しなくちゃいけない訳ですから制限して当たり前でしょ。自分の大事な家族や友人がそんなことしようと思ってたら普通行かせないでしょ。どうしても失いたくない人なら渡航の自由なんか認めずにまず行かせないようにするでしょ。
 それでもどうしても行くのなら自己責任であって国が助けられなくても当然でしょ。ジャーナリストの使命云々を叫ぶ人もいますがことが起こった時に救出にかかわるすべてを負担する能力があるんでしょうか?お金だけではなくこうしたことの余波や未来への影響もすべて含めて自分で責任とれるのでしょうか?
 こうした事件はこれまでも起こっています。2004年にはイラクで捕まった日本人3人を救出するために身代金や債務免除など莫大な費用が税収より投じられたとされています。この当時世論は自己責任論で溢れかえっていたはずです。この10年ほどでずいぶん日本人も余裕ができて甘くなったんでしょうか。
 拘束されたジャーナリストの方も含め、いくら目的が崇高であっても危険地帯にわざわざ飛び込んでいくようなことをそれだけで私は立派と思いません。いいトシした大人がその辺りの分別もないのはおかしいでしょう。外務省も渡航の目的に妥当性や緊急性がなかったり、能力や実績的に見て不適合と判断された場合はどんどんパスポート返納や特定地域への渡航禁止にしたらよろしい。
 渡航したい人たちは基本的人権を叫ぶ前に「基本的な」常識をまずは身につけましょうよ。
 こんなニュースを見るたびに腹の立つ私は器が小さいんでしょうかね・・・